『Winter Bear(ウインターベア)』は、2019年8月10日公開、2023年8月28日に正式リリースされたテテの自作曲です。
SoundCloudへの楽曲登録に合わせてテテ本人が制作したMVもYouTubeで公開され大きな話題に。
テテはナムさんに協力してもらいながら英語で歌詞を書き、大変なワールドツアーの合間を縫ってMV撮影を続けていたとのこと🥹
こちらの記事では、当時の状況を振り返りながらテテが『Winter Bear』に込めた想いを考察していきます。
歌詞に出てくる「青いオウムに見える女性」や「冬のクマのように眠る君」は誰なのか、MVに隠された仕掛けが意味することは、、
ずっと私が感じていたことを記事にしてみました。
MVの考察は、こちらの記事にまとめました☺️
よかったらMVも歌詞も読んでもらえると、より深く理解できると思います。
テテ自作曲『Winter Bear(ウィンターベア)』とは?
『Winter Bear』公開当日のVライブでテテは、この曲の制作を2019年2月から始めたと語りました。
テテは1月30日に『風景』を公開しているので、そのあとすぐに『Winter Bear』に取り掛かったということになります。
曲の土台となったのは、前年のツアーで訪れたロンドンのホテルで観た、映画『アバウトタイム』のプロポーズシーン。
寝ていた女性にひざまづいて結婚を申し込むという、不器用な愛の告白がテテの心には強く残って『Winter Bear』に繋がったのでした。
それでは、、
まずは歌詞の和訳と意味を解説していきます。
『Winter Bear(ウインターベア)』歌詞・和訳
公式MVも合わせてご覧ください。
She looks like a blue parrot
彼女は青いオウムのよう
Would you come fly to me
僕のところに飛んできてくれませんか?
I want some
Good day, good day, good day
Good day, good day
僕は素敵な1日を過ごしたいんだ
とっても素敵な1日を
Looks like a winter bear
まるで冬眠中のクマみたい
You sleep so happily
眠る君は本当に幸せそう
I wish you a
Good night, good night, good night
Good night, good night
君がよく眠れますように
ぐっすり眠れますように
Imagine your face
君の顔をイメージしてみる
Say hello to me
ねぇ僕に何か言ってみて
Then all the bad days
そうすればすべての苦しい日々も
They’re nothing to me
僕には平気になるんだよ
With you
君となら
Winter bear
冬のクマ
Sleep like a winter bear
冬のクマみたいに眠る
Sleep like a winter bear
冬眠するクマみたいに眠る
『Winter Bear』歌詞の意味
『Winter Bear』の歌詞の意味はすごくシンプルです。
君がそばにいるだけで僕は幸せで、声をかけてくれるだけで救われる。
テテはそう歌っています。
「Say hello to」は「〇〇によろしく言っておいて、挨拶しておいて」という意味ですが、「to me(僕に)」となっているので、「僕に挨拶して、何か声をかけて」という意味でテテは書いています。
なので、おそらくテテは「アンニョン」でも「やぁ」でも「よう」でもどんな言葉でも、君が声をかけてくれたなら、それだけで嫌なことは忘れて気分が晴れるんだと言いたいのだと思います。
「冬のクマのように眠る君」はジョングクさん
テテの『Winter Bear』は、ジョングクさんに向けた曲だと私は思っています。
『Winter Bear』について、ジョングクさん自身が「僕の歌だ」と言ってカラオケで歌っていましたし、
みんなで『Winter Bear』MVを見ている時にテテの真似をして歌ったり、
2021年SOWOOZOO 2日目のトーク時には、『Winter Bear』を歌おうとしたらメロディを忘れてしまってたテテが(『Sweet night』の「おんまいぴろー」のメロディで「ういんたべあー」と歌ってました)みんなに笑われたり突っ込まれたりしている間、ずっとグクさんだけは1人で『Winter Bear』を歌い続けていたことも😢
また、2022年8月10日の『Winter Bear』3周年の日には、
「君となら、すべての苦しい日々が僕には平気になるんだよ」という『Winter Bear』の歌詞に合わせたように、
『Bad Dasicions』の「みんながイカした俺を見てる / 俺にはその理由が分かってる / だって俺のすぐ隣には君がいるから」の歌詞の部分をインスタに投稿。
続けて、ウガファミリーが「IN THE SOOP』で訪れたのと同じ場所でグクさんが撮った写真もアップしたのです。
2023年8月5日のWライブでは、
『Winter Bear』のMVを流して目を見開いて凝視したり、口ずさんだりもしていました🥹
そこからグクさんはぱったりとWライブに来なくなってしまったので、なんだか、「(プロモーション期間の)最後だから、まぁこれくらい許されるだろう」という気持ちもあって、
テテの『Winter Bear』を流したのかな、、
なんて感じました。
苦しさを乗り越えて生まれた曲
「126」や「マルタ」の考察記事で書いた通り、2018年はテテにとってかなり大変な1年で、心をすり減らすような苦労が止めどなく続いていました。
テテ自身、『PROOF インタビュー』の中で「これまでで一番真っ暗な時期は?」と訊かれて「Fake Loveの時(2018年)です」と答えています。
2019年に至るまで、さまざまな出来事が重なって苦しい日々を経験したからこそ、テテは目の前にある何気ない日常が何よりも大切だと実感したのでしょう。
ぐっすり眠る君の寝顔が自分にとっての幸せそのものなんだと、気付いたのだと思います。
「冬のクマのように眠る君」と「青いオウムみたいな彼女」
『Winter Bear』の冒頭に出てくる「青いオウムに見える女性」。
テテは「彼女は青いオウムのよう/僕のところに飛んできてくれませんか?」と最初に歌います。
やや唐突にあらわれる女性ですが、そのあとの歌詞には出てきません。
私は、この女性は「冬のクマのように眠る君の、夢の中に出てくる人物」だと感じました。
最初に聴いた時、歌詞の1番と2番で関連性のないことを言っているのが気になっていたのですが、1番は「君の夢の中」、2番は「目の前の現実」と考えると、すごく納得できるのです。
なぜ現実ではなく「Imagine」?
テテは、「君の顔をイメージしてみる/ねぇ僕に何か言ってみて」と歌います。どうして現実の君ではなく、イメージの中の君でなくてはいけないのでしょうか。
この言葉「Imagine」が、歌詞の中で一番重要だと思っています。
君の顔をイメージして、想像の中で僕に声をかけてもらう。それだけで僕は充分だよとテテは歌う。
逆説的に考えれば、
「直接は君が僕に声をかけられない、2人で気軽に話をすることが許されない状況」
に、君と僕が置かれているようにも感じます。
何度も書きますが、
2018年はジミンちゃんとジョングクさんのファンサービスが激しくなってきた時期であり、それまで2人で1つの存在のように見られていたテテとジョングクさんが、不仲説が流れるほど、距離感を見せていた時期でした。
それでもテテは、たとえ想像の中であっても君との交流を思い浮かべるだけで心を温めることができるようになったのです。
MV考察にも書きましたが、
もしかしたらアムステルダム公演の『DNA』をきっかけにして、テテの心にあったわだかまりが溶け始めたのかも知れません。
たとえば君が、夢に心を奪われて僕のことを忘れている瞬間でも、僕は君が声をかけてくれる姿をイメージするだけで、全ての苦しい日々が平気になってしまう。
それくらい、僕にとって君は特別な存在。
テテはそう伝えたかったのではないでしょうか。
青いオウムみたいな女性の正体は
上記で説明したように、『Winter Bear』の冒頭に出てくる「青いオウムに見える女性」は、冬のクマのように眠る君の夢の中にいる人物だと私は思います。
テテは2022年3月28日のWeverseマガジンの中で、「Blue parrot(青いオウム)という歌詞はもともとはBlue bird(青い鳥)でした。」と語っています。
希望の象徴である青い鳥をひねって、オウムに変えたのだと。
でもそれなら、どうして「彼女」という言葉で性別を限定したのか、なぜ「Will you」より丁寧な敬語の「Would you come fly to me」を使ったのか不思議です。
青いオウムを誰かに置き換えたのではなく、単純に希望の象徴として青いオウムを登場させるなら、それは「青いオウムのような彼女」ではなく「青いオウム」であるべきです。
希望を青い鳥に比喩して、青い鳥を青いオウムに置き換えるまでは分かりますが、そこからさらに女性に当てはめるのは不自然です。
そうした理由で、私は「青いオウムに見える彼女」にはきちんと実在の人物がモデルになっているのではないかと感じています。
IUさんのヒット曲『Good Day』
青いオウムのような彼女に「飛んできてくれませんか」と呼びかけた後、繰り返される「Good Day Good Day Good Day…」の言葉。
『Good Day』といえば、
ジョングクさんは2016年1月24日に開催されたBTS 2ND MUSTERファンミーティングで、IUさんの『Good Day』を歌っています。
そして、IUさんの『Good Day』MVには冒頭からオウムが登場するのです。
「Good Day」と「オウム」、、不思議な共通点です😳
オウムは恋心に揺れるIUさんにいつも寄り添っています。
そして、IUさんが着ているニットも、
最初の方の恋を楽しんでいる時には赤だったのが、告白に失敗して恋がうまくいかなくなると青色に変わります。
赤から青へ…
そして最後のシーン。
ジョングクさんがデビュー前からIUさんの大ファンであることは、アミなら誰でも知っていると思います。
もしかしたら、テテはIUさんの『Good Day』MVを見て、「彼女は青いオウムのよう」という言葉を思いつき、グクさんが憧れの女性( IUさん)の夢を見ている場面を思い描いて曲作りをしたのかも知れません、、
直訳すれば「僕のところに飛んできてくださいませんか?」くらいの丁寧語になる「Would you come fly to me」を使ったのも、年上で芸能界でも先輩のIUさんが相手だとすれば納得できます。
グクさんは「123の日」にIUカバー曲を公開していた
2019年1月23日、「123」の日にジョングクさんはIUさんの『Ending Scene(こんなエンディング)』をカバーして公開していました。
이런 엔딩 #JK https://t.co/VWaWJFhByG
— 방탄소년단 (@BTS_twt) January 23, 2019
IUさんの『Ending Scene』は、別れた恋人への心残りや未練を歌った楽曲です。人気俳優 キム・スヒョンさんが出演したMVも短編映画のような凝った演出で話題になりました。
IUさんの代表曲の1つである『Ending Scene』カバー曲を、テテとグクさんにとって特別な意味のある数字「123」の日に公開したジョングクさん。
テテが『Winter Bear』の曲作りを始めたのはそのすぐあとの2月からなので、、
123の日にジョングクさんの『Ending Scene』を聴いたテテが、グクさんに伝えたい想いをIUさんの『Good Day』MVと繋げて作ったような気もします。
欲が無くなったテテ
テテは最近のインタビューでも「欲が無いと周りからよく言われます」と答えていましたし、2020年9月1日に『Dynamite』がビルボードHOT100で1位を獲得した時にも「夢は全部叶った」と言っていて、もう何もいらない的なことを言ってメンバーから諭されていたり、、
そして、『Winter Bear』の歌詞でも、君が声をかけてくれるだけで救われると。。
なんだか全てに対して受け身すぎて、何も求めない執着のない生き方を貫きすぎているのが時々心配になります。
人間はあまりに大きいストレスにさらされると、平穏に安全に生きることが最優先になってしまって、他のことへの興味や野心が薄れてしまう、というのを以前読んだことがあるのですが、テテはそういう状態なのかなぁとも感じました。
『Winter Bear』を作るまでの期間にテテは一生分傷ついたのかもしれなくて、それが歌詞にも込められているような気がするのでした。