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HYBE「エンタメビッグ4」で最下位の評価…「持続可能な経営体制が脆弱」

国内のエンターテインメント会社として初めて大企業グループに昇格したHYBEが、ビッグ4エンターテイメント会社の中でESG(環境・社会・ガバナンス)経営において最下位となりました。

特にガバナンスと環境分野ではそれぞれC、B評価を受け、低評価を記録しています。

韓国ESG基準院(KCGS)によると、HYBEの昨年のESG総合評価は「脆弱(C)」でした。

S(卓越)からD(非常に脆弱)までのKCGSのESG評価システムにおいて、C評価は「脆弱な持続可能な経営体制を構築しており、改善のためにかなりの努力が必要な状態」を意味します。

韓国国内4大エンターテイメント会社として知られるHYBE、SM、YG、JYPの中で、YGとともに最下位。

具体的には、環境・社会・ガバナンスでそれぞれB、B+、C評価を受けています。また、B評価は「やや脆弱な持続可能な経営体制を構築しており、体制改善のために継続的な努力が必要な状態」を意味します。

環境分野も4社の中で最下位。ガバナンスにおいては、YGエンターテインメントがD評価で最下位は免れました。

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31.57%の株式はパン・シヒョク議長が所有

HYBEのガバナンスは「パン・シヒョクの1人体制」であるとの批判があります。

HYBEは国内エンターテインメント業界で初めて「マルチレーベル体制」を運営しており、BIGHIT MUSIC(ビッグヒットミュージック)、BELIFT LAB(ビリーフラボ)、SOURCE MUSIC(ソースミュージック)、PLEDIS Entertainment(プレディスエンターテインメント)、KOZ ENTERTAINMENT(コズエンターテインメント)、ADOR(アドア)など、11のマルチレーベルを運営。

子会社は65社にのぼり、主要な音楽レーベルの子会社株式の75%から100%を保有しています。

また、HYBEの株式はパン・シヒョク議長が31.57%(2024年半期報告書による)を所有。業界では「事実上、HYBEの最大株主であるパン・シヒョク議長を牽制する手段がない」と指摘されています。

ガバナンスの主要指標の一つである「取締役会議長が社外取締役であること」を遵守しておらず、現在、HYBEの取締役会議長職は身内のトップであるパン・シヒョク氏が務めているのです。

独立した内部監査部門の設置も遵守しておらず、ガバナンスがまったく機能していません。

HYBEは「内部監査部門は存在するが、人事権は内部監査機関にない」と説明しています。

最近のミン・ヒジン元ADOR代表に関連する論争も、パン議長が事実上ADORの経営権を掌握していることが原因ではないかという業界の見方があります。

環境を無視したアルバム販売のマーケティング

HYBEが今年6月に発表した「2023年持続可能経営報告書」によると、過去2年間でHYBE所属アーティストのアルバムおよび公式グッズに使用されたプラスチックの量は約5倍に増加しました。

製品に使用されたプラスチック量は、2021年の372.7トンから2023年には1396.7トンと3.5倍以上増加し、包装に使用されたプラスチックも同様に増加しています。

HYBEは昨年だけで4360万枚のアルバムを販売。国内の全体的なアルバム市場におけるHYBEの販売比率は40%に迫り、今年上半期のビッグ4エンターテインメント会社のアルバム売上でもHYBEが23.4%で1位を記録しているのです。

K-POPファンの多くは音源をデジタルで楽しんでいますが、K-POPアルバムの販売数は引き続き増加しています。

2014年に737万枚だったアルバム販売数(サークルチャート基準)は、昨年なんと1億1577万枚にまで増えました。

通常、アルバムの販売原価率は低いため、それがエンターテインメント会社がアルバム販売に注力する理由でもあります。

ランダムフォトカードやアーティストごとのバージョンを作り、ファンサイン会の当選チャンスを高めるなど、様々なマーケティング手法でアルバムを販売。しかし、その手法が過剰だという指摘もあるのです。

ファンは欲しいアーティストのフォトカードが出るまでアルバムを購入し続けます。また、ファンサイン会への応募もアルバム発売後の特定期間に限定されているので、ファンはできるだけ多くのアルバムを購入しますが、そのアルバムは未開封のまま廃棄されることも多いです。

HYBEは報告書で「アルバム、映像出版物、公式グッズの素材、包装材、構成品全体において環境に配慮している」と述べ、国際NGO森林管理協議会(FSC)認証紙や環境に優しいインクの使用、デジタルコードに再生プラスチックを使用するなど、持続可能な製品・サービスを提供していると説明しています。

しかし、環境団体はこれを「グリーンウォッシング(見せかけの環境配慮)」だと批判しています。

大企業となったHYBEの経営あり方に、厳しい視線が注がれています。

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