BTS初の自叙伝『BEYOND THE STORY(ビヨンド・ザ・ストーリー)』が7月9日に発売されました。
ツイッターなどで感想を読んでみると、読んでよかった!感動した!と喜んでいるアミさんもいれば、嘘ばっかりじゃないか!買って損した!と、怒っているアミさんもいました。
日本人のアミさんの感想は見かけなかったのですが、イルアミさんで読まれた方はどう感じたでしょうか?
私の感想はと言うと、まぁ想像通りの内容でした。
「夢を抱えて集まった7人の少年たちがひたむきに頑張り苦難を乗り越え世界的スターになる」というBTSストーリーが1冊の本になったんだな、という感想を持ちました。
『BEYOND THE STORY ビヨンド・ザ・ストーリー』レビュー
とても分厚くて長い本ですが、この本を通して読んで「そんな事実があったの!!!」と、驚くような内容は私の知る限りありません😂
ほとんど全て、これまでメンバーが自らライブやインタビューで語ったものに編集者の方の演出が加わって、より物語として整えられている、という感じです。
もちろん以前より詳しく綿密に語られているため、理解しやすくなっていることもたくさんあります。
ただ、ストーリー仕立てにするためか、事実とは違う内容になっていたり、同じ人のインタビューなのに過去とは違ったことを言っていたり、そういうのがいくつもあります。
たとえばジミンちゃんとジョングクさんの東京旅行「G.C.F. in Tokyo」ですが、当時のジミンちゃんのインタビューでは、テテも含めた3人で旅行に行こうという話になって、たまたまジョングクさんとスケジュールが合ったので一緒に行ったと語っています。
🐥「Vも含めて"プライベートで日本へ遊びに行きたいね"と話していたんです。そしたら、たまたまJUNG KOOKと時間が合って。航空券はJUNG KOOKが手配してくれたんですよ!」
この時一緒に行くはずだったテテが外れてしまったのは事務所の意向だとも言われていますが、、
とにかく…
計画段階ではジミンちゃん、テテ、ジョングクさんの3人で「日本に遊びに行きたいね!」と話していたけれど、スケジュールの都合でジミンちゃんとジョングクさんの2人になった。ジョングクさんが航空券の手配をしてくれた。
ただそれだけです。
それが『BEYOND THE STORY ビヨンド・ザ・ストーリー』では壮大なストーリーに変換されているのです。。
宿舎では僕たち2人が一番遅く就寝していました。僕たちは起きている間にぶらぶらするのが好きでした。ジョングクと僕はそういう点で似ている部分がたくさんありました。
それで「旅行に行ってみようか?」ということになりました。 「日本はどう?」
そして実際に行ってきました。
2人が最初に旅行の計画を明かした時、パン・シヒョクと他のBTSメンバーは最初は心配した。 BTSはすでに国際的なスターだった。
テテのことは丸ごと省かれ、3人の「プライベートで日本に遊びに行きたいね」という話が、なぜかジミンちゃんとジョングクさんだけになり、
「いつも夜中を一緒に過ごして気が合うから旅行に行こう」「日本はどう?」という、まるでドラマのような話になっています。
しかも「パン・シヒョクと他のBTSメンバーは心配した」って、そんな場面、、想像できますか😞?
これを本当にジミンちゃんが語ったとしても、当時と今とでどちらが記憶が鮮明なのかは。。。
言うまでもありませんね🙂
テテは自分を重荷(負担)と言った?
上記では、ジミンちゃんとジョングクさんの東京旅行の話を例に出しましたが、
全体的にこういう感じで、本当にあった過去の話に脚色が付け加えられ物語化させているのではないかと感じる箇所がたくさんありました。
個人的には「それがBTSというグループ(物語)」だと思っているので、この本も彼らの歴史を語る大切な資料として残す価値のある1冊だとは思っています。
最後に、どうしても許せないと感じた部分のことだけ書いておきます。
テテのインタビューです。
「防弾少年団の重荷になりたくない」という罪悪感からよく泣きました。僕のせいで、防弾少年団という重くて安定した壁に亀裂が入るのではないかと心配でした。完璧な人たちに遅れをとりたくなかったです。
テテが「BTSの重荷になりたくない」という罪悪感でよく泣いていた?罪悪感???
自分のせいでBTSに亀裂が入るのではないかと心配していた????
……完璧な人たちって誰ですか🙄?
テテを知っている方なら、彼が絶対にこんなことを言うはずがないことは分かってもらえると思います。
テテは何に対しても優劣で語らない人です。
常に多様性を意識して、どのような人にも同じだけの価値があるというのがテテの考え方です。
誰が完璧で誰が重荷という考え方自体、テテがするはずないと私は確信しています。
また、当時を知るものとして、テテが流したどの涙も、「自分のせいで防弾少年団に亀裂が入る」とか「重荷になりたくない」とか、そんな気持ちで流したものではないです。
もしもテテが「BTSというチームに自分が貢献できていない、重荷になっている、亀裂の原因になる」と感じていたなら、すでにメンバーの中にいないと思います。
テテが2022年のバンタン会食放送後にWeverseに投稿した文章を思い出してください。
そこには、「チームのために自分を諦めなければならなかった」と書かれていましたよね。
テテにとってBTSの活動は奉仕であり、誰かを喜ばせるために自分を犠牲にしてきた記憶であるはずです。
また、テテは2022年の8月にタリョラが一旦終了する時、こう言いました。
「僕が心の重荷を少し置いて、僕たちだけではできなかった思い出を作ってくれたのが、僕にとっては走れバンタンでした」と。
重荷とは、テテにとってはBTSメンバーとしての活動そのものです。
世界から注目され、さまざまな形で傷つけられながら活動を続けてきたわけですから、重荷に感じるのも当然ですよね。
テテが「自分が重荷になる」と感じて泣いていたなんて、そんなことはあり得ない。
私は、個人的には、そう思いました。
以上、レビューというより愚痴のようになってしまいましたが、、
でも先ほども書いたように、こうしたこともまた必要なプロセスなんだろうと思っているのです。
なぜこの本はこういったストーリーになっているのか、世間にいったい何を伝えたかったのか。
それを理解すれば、次に起きることはおのずと見えてきます。
全てはきちんと繋がっているのだと思います。