2022年11月20日、ジョングクさんはカタールで行われた「FIFAワールドカップ2022」の開会式に出演してパフォーマンスを披露しました。
グクさんのエネルギッシュなダンスと美しい歌唱は世界中に感動を与えて、BTSファンではないサッカーファンの心も掴み、開会式は大きな話題に…。
楽曲や開会式パフォーマンスについては、こちらの記事でまとめています。
このグクさんの開会式パフォーマンス、喜びいっぱいで受け止めた方もいれば、複雑な気持ちで受け止めた方もいるのではないでしょうか?
私は後者で…
本音としては、さらっと何事もなく大きな話題にもならず安全に終わってほしい。。という気持ちが強かったです、、🥺
こちらの記事は、11月18日に公開した記事に新しい事実を書き加えて、新たに編集をしたものです。
カタールワールドカップへの不安材料
今回カタールで開かれるワールドカップでは、何年も前からさまざまな懸念が出ていました。
簡単に説明すると、下記のようなことです。
- スタジアム建設の過酷な労働環境で、移民を中心とした数千人の工事関係者が命を落としたとされる
- 同性愛が禁止されているカタールでは違反者には死刑が課されることもある
- 移民や女性への根強い差別があり困難な生活をする人が少なくない
ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)やアムネスティ・インターナショナルといった人権擁護団体は、カタールにおける労働者の「悲惨な生活環境」はまるで「現代の奴隷」だと指摘し、この巨大建設プロジェクトに携わる労働者が多数死亡していると糾弾している。
カタールの社会問題に対する姿勢も波紋を呼んでいる。カタールでは、同性愛は犯罪だ。また、女性は限られた権利しか持たず、男性保護者からの許可がなければ、運転したり外国に行ったりすることができない。
こうした人権問題と構造的差別が横行しているカタールで、世界中からサッカーファンが集まるワールドカップを開催するのはおかしいと、招致が決まってからずっと懸念されていたのです。
また、ワールドカップのカタール開催については、カタール側からFIFA関係者に多額の賄賂が渡ったという話もあり、当時のFIFA会長が「選んだ私が悪かった」と発言するほど問題だらけになっています。
開会式の出演オファーを断るアーティストが続出
開会式の出演者にはさまざまなアーティストの名前が上がりましたが、うわさの段階で自ら強く否定するアーティストもいたり、カタールでの開会式出演が不名誉になると考えている方もいます。
歌手のロッド・スチュワートさんは15ヶ月前に100万ドル(約1億4000万円)でオファーを受けて断ったことをサンデータイムス紙で明かし、「行くのは正しくない」と、はっきり明言しました。
そんな中での、ジョングクさん出演。。
カタールにとってグクさんは、ワールドカップのオープニングを飾る唯一の注目アイテムと言っても良いのではないでしょうか。
世界的な人気を誇る若者であり、ずっと多様性を訴えてきたグループのメンバー。
私の予想では、ハイブは当初この人権問題がそれほど大きいものだと捉えてなかったのだと思います。
おそらくBTSメンバー全員か、ジンさんを除く6人で開会式に出演させようとしていたのではないでしょうか。
しかしワールドカップが近づき世界中でカタールの人権問題が取り上げられるようになり、ようやく事の大きさに気付いたように感じます。
そしてBTS全員ではあまりにもインパクトが大きくなりすぎるため、メインボーカルであるジョングクさんだけを出演させることで、なんとか体裁を保ったような気がします。
FIFAはジョングクさんだけに出演依頼した?
開会式が終了したあとの22日、『朝鮮日報』はジョングクさんの開会式出演について複数の関係者の発言として、下記のように伝えました。
「FIFA側は1ヵ月前から、大会スポンサーであるサムスン自動車を通さず、ハイブ本社、ハイブ米国支部、ハイブ傘下のBTS専門レーベルであるBIGHITMUSICなどに直接交渉して、ジョングク出演に熱を上げたという
FIFA側は特に具体的な理由は明らかにしなかったが、最初からBTSメンバーの中でジョングクを選んで出演を要求した」
つまり、FIFA側はBTSではなくジョングクさんのみの出演を1ヶ月前からハイブに交渉して、出演が実現した、と。
この話を「ああそうなんだ」と素直に受け止める人はまずいないでしょう、、
まず、「1ヶ月前」って、、いくらなんでもギリギリすぎます。
曲だけ作って、歌う人を直前まで探していたということですか?
この話が本当なら、グクさんが断ったらFIFAは一体どうするつもりだったんでしょう?
「具体的な理由は明らかにしなかったが出演を要求した」って、、
大会1ヶ月前に「理由はないけど開会式に出て」って言われてジョングクさんが出るわけ無いじゃないですか…。
本当はBTSで出演するつもりが、直前でキャンセルになり、「ジョングクさんだけでも出てくれ」という話がFIFA側から1ヶ月前に出たと考えた方が自然です。
この話を『朝鮮日報』にしたという複数の関係者が誰なのか、何の関係者なのか、記事では一切触れられていません。
おそらく、FIFA関係者ではないと思います😕
【追記】
11月27日、ワールドカップ開会式の音楽を担当したkataraスタジオCEOのインタビューが公開されました。
インタビュー映像はこちらです。
なぜジョングクさんのみが開会式に出演したのか?という質問に、彼は「他のメンバーは兵役中だから」と答えました。
ということは事務所から、グクさん以外のメンバーが兵役で出演できないと急遽伝えられたのでしょうか。開会式の時点ではまだ誰も入隊していないわけですが。
やはり、最初はBTSで担当するはずだったけれど、直前になって事態の深刻さにようやく気づいて、兵役を理由にグクさんのみの出演に軌道修正したという感じがします。
海外アミの中では、「ジョングクさんが事務所から特別扱いされているから、開会式に1人だけで出演した」という意見もありますが、私は違うと思います。
元々はBTSで契約していたけれど、人権問題などで炎上しかねないことに気づいた事務所が、メンバー全員の出演を断念してグクさんに絞ったのだと感じました。
グクさんはLGBTQサポートを訴えた?
グクさんは、カタール到着後にアップしたストーリーでAJOBYAJO(アジョバイアジョ)のTシャツを着ていました。
「AJOBYAJO アジョバイアジョ」は、LGBTQ+アイデンティティのサポートを公式に訴えているブランドで、家族主義が根強くLGBTQへの理解が進んでいないとされる韓国の中では勇気ある活動をしていることで知られます。
グクさんはカタールでこのTシャツを着て陽気に踊ることで、自分の本当の気持ちを表現したようにも感じました。
開会式はショーではなくセレモニー
AP通信のインタビューに答えた開会式クリエイティブディレクターのマルコ・バリッチさんは、
「ワールドカップの歴史において大きな前進になる」
「これはスーパーボウルのハーフタイムショーではなく、本物のセレモニーである」
「このショーのメッセージと内容は国の指導者によって個人的にキュレーションされました。彼らは、多文化主義、多様性の受容、平和の土台となることについて語りたいと願っています」
と明かしています。
つまり、カタールは今世界中から批判されているさまざまな人権問題を、この開会式において払拭しようと考えていたのです。
カタールは以前からオリンピック開催に3度名乗りをあげていますが、いまだに候補地に入ったことはありません。
今回のワールドカップを通じて、多様性を重視するクリーンな国のイメージを世界に植え付けられれば、オリンピック開催にも近づくというカタールの思惑があるようです。
ロビー・ウイリアムスさんとジョングクさん
開会式のメンバーには、元Take Thatのロビー・ウィリアムスさんもいます。
【追記】
開会式に出演予定だったロビー・ウイリアムスさんですが、実際の開会式では出演しませんでした。ワールドカップ期間中に行われるコンサートには出演されるそうです。
開会式は時間も変わりましたし、色々と水面下で変更事項があったのかも知れません。。
ロビー・ウィリアムスさんと言えば、テテがCELINEファッションショーでパリに行った時、一緒に写真を撮っていた方です。
ロビー・ウィリアムスさんには批判が…
ロビー・ウイリアムスさんは前回のワールドカップ ロシア大会の開会式にも出演しており、ロシア開催を反対する多くの人々から非難されていました。
また、開会式のパフォーマンス中にはカメラに向けて中指を立てるパフォーマンスをして、物議を醸したこともあります。
開会式を生中継していたBBCは、彼の中指を立てるパフォーマンスがテレビで流れてしまったことで視聴者に謝罪しました。
最近テテが中指を立てるパフォーマンスを時々やっているのですが、、もしかしたらロビー・ウィリアムスさんの影響ではないかと、、私はなんとなく思っています🥺
(批判やヘイトに屈することなく自分の信念を貫き、うるさいもの達には大舞台であろうと中指を立てる、、そんな姿に共感したのかも…)
そんなこんなで、、
今回もまたロビー・ウィリアムスさんがワールドカップに出演すると知り驚いてしまったのですが、、カタールとすればLGBTQへの理解を示す良い機会だと考えているのかも知れません。
自身のセクシャリティに悩んでいたロビー・ウィリアムスさん
ロビー・ウィリアムスさんは過去の雑誌インタビューで、20代前半で性自認に悩んでいたことを告白しています。
そして自分自身については「somewhat gay(多少はゲイ)」と表現していました。
こんな背景もあるため、どうしてLGBTQに理解を示す立場のはずのロビー・ウィリアムスさんがカタールで行われるワールドカップに出演するのかと、疑問を呈する人も少なくありません。
しかし、カタールワールドカップのテーマがマルコ・バリッチさんの言うように多様性や多文化を認める平和の土台であるなら、ロビー・ウィリアムスさんが出演する意義は大きいのかも知れません。
ジョングクさんに集まった期待
マルコ・バリッチさんは、「開会式には世界最高の振付師と照明技術者を含めた900人のスタッフが集まり、トーナメントのアイデンティティを豊かにする大きなショーを開催する」と語っていました。
そのショーで一番の目玉とされていたのがジョングクさんです。
「LOVE YOURSELF」を掲げて、多様性を尊重するように呼びかけ続けていたBTSのメンバーが、同性愛が禁止され移民や女性へのひどい差別が横行するカタールで見せたパフォーマンス。
グクさんの開会式での歌唱は、それは本当に素晴らしいものでしたが、翌日のカタールでの報道では、「カタールの文化を理解してくれたことに感謝する」といった論調が目立ちました。
つまり、世界的なスターであるジョングクさんは世界が非難するようなカタールの人権問題も理解した上で、素晴らしいステージを見せてくれたんだと。
カタール国内ではもちろんそういった話になりますよね。。
嫌だったら出演しないだろう、と、普通は思いますから。
これはすごく難しい問題ですし、ジョングクさんには何の責任もありませんが、ロシア大会に出演していまだに批判されているロビー・ウイリアムスさんのように、何年たっても引きずる問題にならなかったら良いのですが。。
個人的にはやはり、開会式出演は控えるべきで、事務所が断るべきであったとは思っています。