最近、国会国政監査で公開された「HYBEアイドル報告書」に言及されたことをきっかけに、HYBE傘下のレーベル、プレディスエンターテインメント所属のSEVENTEENのファンダムが「アンチHYBE」を掲げるなど、ファンの抗議が激しさを増しています。
昨年だけで1600万枚のアルバムを販売したSEVENTEENは、HYBEにおいてBTSに次ぐ売上を誇るグループです。
SNSでは「#SEVENTEEN_脱HYBE」というハッシュタグ運動が続いており、ファンダムであるCARATたちはSEVENTEENがHYBEを去ることを要求。
雇用労働部によるHYBEの「働き口最高企業」選定の撤回を求める国民請願にも、積極的に参加しています。
この抗議運動には、最近追加で公開されたHYBEの内部文書が影響を与えたとみられています。
国政監査で公開された報告書以外にも、別の内部報告書がSNSやオンラインコミュニティで広がり、その中にはSEVENTEENに対する評価も含まれています。
SEVENTEENのメンバー・スングァンさんは、先月29日に自身のインスタグラムで「僕たちはあなたたちのアイテムではない。勝手に書いたことを享受すると思わないでほしい」と投稿し、これがファンダムの反響を呼びました。
30代の会社員だというCARATの一員は韓国メディアとのインタビューで「これまでHYBEに対する不満が積もっていたが、アーティストに影響が及ぶのを懸念して我慢してきた。しかし、今回の内部文書公開やスングァンさんのメッセージがきっかけでファンの不満が爆発した」と語りました。
アーティストへの影響を心配してHYBEへの抗議を控えてきたというのは、多くのアミが共感するのではないでしょうか。
そして、スングァンさんのメッセージがきっかけでファンの不満に火がつくという、おそらくHYBEが一番恐れていたことが起きたのです。
これが怖くて続けてきたマインドコントロールのような手法が、結局は原因となり、アーティストやファンの不満が爆発してしまったのだと思います。
そう簡単に人の心を操ることはできませんよね…
また、HYBE職員を名乗る情報提供者が、1日にオンラインコミュニティで文書を追加公開し、論争がさらに拡大しました。
情報提供者は「我慢に我慢を重ね、勇気を出して公開する。HYBEが逆バイラル(相手を中傷する宣伝)を行っていないという主張とは異なり、多くの部分が実際に計画されて進行していた」と訴えています。
つまり、HYBEが組織として誰か(グループ)を中傷したり貶めたりする目的の計画を進行・実行していたということです。
エンタメ企業として韓国でNo.1の存在であるHYBEがそのような計画を実行していたとなれば、単なる批判では済まないでしょう。
HYBEは先月29日、イ・ジェサン代表が謝罪文を出した以外、公式な対応をしていません。
もしも事実無根であればいつものように法的対応をちらつかせて警告文を出すところでしょうが、何も対応しないということは、やはり逆バイラルを行っていたということでしょうか。
それなら、本当にこの事務所に所属しているアーティストを応援しても良いのか、会社に利益を与えて良いのか…悩んでしまうのも当然です。
この状況が表面化する前から、CARATの間では「ファンダムを金儲けの手段としてしか見ていない」「アーティストを酷使している」といった不満がくすぶっていました。
5月にはベストアルバムを17万700ウォンで販売すると発表されましたが、ファンの抗議により6万9400ウォンに値下げされるということもありました。
プレディスは「表記ミス」と釈明しましたが、ファンの反発は収まりませんでした。
さらに、先月12日に京畿道高陽総合運動場で行われたSEVENTEENのコンサートで、舞台上の照明装置が火災を起こし、20分間公演が中断されましたが、企画会社からの謝罪や説明はありませんでした。
観客である20代の女性は、「突然の火災に観客が騒然となりましたが、終演後も何の案内もなく、万一大事故に繋がった場合どうするつもりだったのか」と憤りを示しました。
この事故は日本でも大きな話題になっていたので、SEVENTEENを知らない人の間でも注目されていたと思います。
しかし、プレディスは「現場スタッフが直ちに火災を鎮圧し、大規模な火災ではなかったため謝罪の告知を行わなかった」と説明。
公演中に火災という、あってはいけない事態を起こしたという反省は感じられません。
現在、CARATは雇用労働部によるHYBEの「働き口最高企業」選定の撤回を求める請願活動に力を入れており、NewJeansのファンダム・バーニーズも、職場内いじめ問題などを理由に同様の請願に賛同しています。
この請願は目標5万人に対し、開始5日後の4日時点で3万8千人が賛同しています。CARATはこのリンクをSNSで拡散し、参加を呼びかけています。
一方、プレディスは1日付で前代表の後任にキム・ヨンス副代表を新たな代表理事に任命しました。
代表交代の理由は不明ですが、業界では最近の状況を受けた刷新人事と見られています。
HYBE内部が揺れる中、ファンやアーティストに対する真摯な対応は行われていないようです。