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HYBE、11月までに360億円準備できるか…大量のプットオプションで窮地に

HYBEが発行した転換社債に対するプットオプションの行使が急激に増え、今後の経営に深刻なリスクが浮上しています。

9月27日、韓国の預託決済院の発表によるとHYBEが2021年11月に発行した「第3回転換社債」のプットオプション行使比率が、午後の時点で81.08%に達しました。

この数値は、27日午前までの68.58%から、12.5%も増加しています…。

1日でここまで増加した原因はなんでしょうか?ちょうど、Billboardのコラムニストからの暴露があった後のタイミングでしたが。。

目次

HYBEの転換社債とは?

転換社債とは、会社が借金をするときに発行する「債券」の一種です。

普通の債券は、満期が来ると会社が元金を返すだけですが、転換社債の場合は「将来、その債券を会社の株に変えることができる」というオプションがついています。

つまり、お金を貸した人が返済してもらう時に「現金にするか株にするか」を選べるわけです。

もし会社の株価が上がっていたら、その社債を株に変えて値上がり分の利益を得ることができます。逆に株価が下がった場合は、株に変えずに元金を返してもらう、という選択ができます。

HYBEの場合、株価は転換社債発行時よりも大きく下落しているので、投資家の立場だと株を選ぶメリットがありません。

プットオプションの行使で元本の返済を要求

そして、今回話題になっている「プットオプションの行使」とは、投資家が「株式に転換するのではなく、元本を早期に返済してほしい」と要求する権利です。

プットオプション行使のタイミングはあらかじめ設定されており、投資家はその期間内に、現金での返済を求めるかどうかを決めることができます。

今回のHYBEのケースでは、早期償還請求のタイミングが複数設定されており、1次から4次までのタイミングで投資家が現金での返済を求めるか、株式転換のオプションを保持するかを選べる仕組みでした。

そんな中で、8割以上の投資家がプットオプションを行使したため、HYBEが多額の現金を早急に準備しなくてはいけなくなったのです。

HYBEがこの早期償還日(11月5日)までに投資家に返さなければならない金額は、約3243億ウォン、日本円で約356億7300万円です。

4000億ウォン規模で発行された転換社債の81%がこの価格ですが、HYBEは他にも過去に発行した他の転換社債や、通常の借金(債務)を抱えている可能性があります。

韓国企業評価によると、今年6月時点でHYBEの現金性資産は約2981億ウォンとなっており、全額を使っても投資家への返済には足りない状況です。

もしもHYBEが返済できなかったら…

もしHYBEがこの転換社債の返済をできない場合、いくつかの深刻な影響が考えられます。

1. 信用リスクの増大

返済ができない、あるいは遅延することは、HYBEの財務状態や経営能力に対する信用が低下することを意味します。

これにより、HYBEの信用格付けが下がる可能性がありますが、そうなると今後の資金調達が難しくなり、借入コスト(利子率)が上がるため、企業経営にさらなる困難をもたらします。

2. 法的措置や債務不履行

転換社債の契約に基づき、返済ができない場合にはデフォルト(債務不履行)が発生します。

これにより、投資家が法的措置を取る可能性があります。

法的措置により、HYBEは強制的に債務返済を行う必要があり、資産を差し押さえられる場合もあります

3. 株価のさらなる下落

HYBEが債務を返済できないというニュースが広がると、市場での信頼が一層失われ、株価が急落する恐れがあります。

投資家はHYBEの将来に対して不安を感じ、株式を売却しようとする動きが強まるからです。

これが悪循環を生み、さらに経営が厳しくなる可能性があります。

4. 再交渉や債務の再編

もしHYBEが返済能力に問題を抱えている場合、投資家と再交渉する選択肢も考えられます。

例えば、返済期限を延ばしたり、一部だけを返済することで合意する「債務再編」を試みることがあります。

この場合、投資家が一定の譲歩をする形で合意に至ることもあります。

5. 企業再生手続きや破産のリスク

最悪のケースでは、HYBEが資金繰りに行き詰まり、企業再生手続きや、場合によっては破産手続きに入る可能性もあります。

ただし、HYBEの企業規模や市場での影響力を考えると、これはあくまで最終手段であり、他の手段で解決を図ることが優先されると考えられます。

現在のところ、HYBEが返済不能に陥るかどうかはまだ明らかではありませんが、こうしたリスクを避けるために、おそらく資金調達や投資家との再交渉などを早急に行うのではないでしょうか…。

未来アセット証券が自己資金で買い入れ

最新のニュースでは、HYBEが発行した4000億ウォンの転換社債について、未来アセット証券が自己資金ですべて買い入れるとHYBEに伝えたそうです。

これで、HYBE側のリスクがゼロになったと韓国で報じられていますが、一般的に考えにくいことが起きていると思います。

証券会社が4000億ウォンという大規模な転換社債を、自己資金で買い入れるには大きなリスクが伴います。

証券会社は通常、他の投資家に再販(セルダウン)することを前提として一時的に買い入れることが多いです。

実際、今回のケースでも未来アセット証券はHYBEの転換社債を3900億ウォン分引き受け、そのうち2400億ウォンを他の投資家に売却(セルダウン)し、1500億ウォンを自己保有しています。

その上で、4000億ウォン全てを自己資金で買い入れるというのは、リスクが高すぎるため、通常は避けられることです。

未来アセット証券側は、今後のBTSの復帰や他のアーティストの成長を見込んでいるようですが、こうした負担の増大がアーティストへのプレッシャーとなり、会社に縛り付けているようにも感じます。

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