韓国政府と釜山市がBTSまで動員した万博誘致は失敗に終わりました。
釜山市は現地時間の11月28日、フランスパリで開催された国際博覧会機構(BIE)第173次総会で行われた「開催地選定投票」で29票を獲得しましたが、119票を獲得した1位のサウジアラビア・リヤドに大きく引き離され誘致失敗。
サウジアラビアは投票参加165カ国のうち3分の2の110票を超える119票を得て、決選投票なしで2030年の万博開催地に選出されました。
韓国はサウジアラビアより後にエキスポ誘致に参戦。
政府と民間が力を合わせて加盟国に日々接触して説得し、後半から巻き返しができるとの計算をしてきたものの、予想よりも大きな票差が発生してしまったようです。
ジミン・ジョングク両親が説得されBTSは広報大使に
韓国政府は釜山万博実現のため、2022年7月にBTSを広報大使に任命。10月には万博誘致のためのBTSコンサートを釜山で開催しました。
釜山はBTSを広報大使として迎え入れるための努力を1年以上続けたとされ、関係者は釜山出身のメンバーであるジミンちゃんとジョングクさんの両親に会って説得までしていたことがわかっています。
しかし実際にBTSが万博誘致の広報大使に就任すると、BTSの広報大使委嘱式に出席した職員たちのユンギさんやテテに対してのふるまいが批判の的に。
ことわりもなく記念撮影をしたり急に手を握ってバンザイさせたり、そういった姿が世界中に配信されたことは万博誘致にプラスに働くわけもありませんでした。
また、当時パク・ヒョンジュン釜山市長が「意思決定権限を持った権力者たちの子供たちはみんな防弾少年団ファンだ。彼らの力をもとに必ず誘致する」と発言。
また、チェ・テウォンSKグループ会長の「防弾少年団のオンラインコンサートを見たARMYの出身国が197カ所で、BIE加盟国170カ国より多い。すでにゲーム終了だ」などとした発言の全てが、誘致の責任をBTSと彼らのファンに押し付けているのではないかという指摘もでました。
BTS万博誘致コンサートの開催場所にも批判が
BTSの釜山エキスポ誘致コンサートは開催場所選定さえもが議論になり、結局変更する事態にもなっています。
当初釜山市が開催場所を「10万人規模の観客受容」最優先で考え安全性を重視せず釜山韓国ガラス跡地に選定しましたが、安全問題や公共交通及び周辺施設の不在などで批判されました。
世論から批判された釜山市は8万人収容可能な釜山アシアード主競技場に場所を変更したものの、釜山アシアード主競技場周辺のホテルが宿泊費を数十万ウォンに値上げするなど、地域一体の海外客受け入れ体制にも疑問の声が噴出。
そんなこんなで、
さまざまな紆余曲折を乗り越えて誘致を目指した釜山万博ですが、叶うことはありませんでした😔
しかし、この結果を受けた釜山市長は次開催の誘致も検討しているとのことです。。
釜山万博の可能性は低かった
個人的な感覚だと、釜山市は本当に万博誘致を成功できると思っていたのかな?と、不思議な気持ちがしてしまいます。
というのも、2025年に大阪で開催される万博の次の開催も韓国となれば、2回連続で東アジアが続くことになり、それをあえて選択するメリットが万博側になるとは思えません。
また、万博開催となれば莫大な資金が必要です。
大阪も財政難の中で国の支援を受けながらやっていますが、そこまでしても参加国が思ったように集まらず苦労していることは連日報道されています。
韓国は、今回誘致に立候補した国の中でも誘致活動にかけた資金が一番少なく、また韓国政府の債務は8月時点で1100兆ウォン超、累積の財政赤字が66兆ウォンという状態ですから、仮に誘致に成功しても釜山をどこまで整備できるのかと心配になります。
こうした、俯瞰して見てみると不可能に近かった釜山万博ですが、、、
BTSが広報大使に就任したことで、最初は無理だと思っていた人たちが「もしかしたら」と期待をしてしまったのかも知れません。