最近、韓国の音楽IP(知的財産)投資・データマネジメント企業である「ビヨンドミュージック(Beyond Music)」が、BTSの代表曲『Butter』の著作権の一部を取得したというニュースが報じられました。
この話を聞いて、驚いたアミさんも多いのではないでしょうか?
「BTSの曲が誰かに売られたの?」と、不安になった方もいるかもしれません。
でも、これはBTSが持つ楽曲の権利がすべてなくなったという話ではありません。
今回は、なぜこうしたことが起こるのか?を、わかりやすく解説していきます。
『Butter』著作権の一部を売却
音楽の著作権は、曲を作った人(作詞家・作曲家)やその権利を管理する会社が持っています。
つまり、『Butter』の場合、BTSのメンバーが直接著作権を持っているわけではなく、曲の作詞・作曲に関わった人々(プロデューサーやソングライター)や、彼らと契約を結んでいる会社がその権利を持っています。
ちなみに、『Butter』の作詞作曲に携わったのは、 ロブ・グリマルディ(Rob Grimaldi)、スティーブン・カーク(Stephen Kirk)、ロン・ペリー(Ron Perry)、ジェナ・アンドリュース(Jenna Andrews)、アレックス・ビロウィッツ(Alex Bilowitz)、セバスチャン・ガルシア(Sebastian Garcia) の6人です。
今回の取引では、作曲に関わったスティーブン・カーク(Stephen Kirk)氏が持っていた著作権の一部を、ビヨンドミュージックが買い取ったという形になります。
つまり、BTSやHYBEがこの取引を行ったわけではなく、作曲者の一人が自身の権利を売却したということなのです。
なぜ著作権が売られるの?
近年、音楽業界では著作権の売買が活発になっています。
特に、大ヒット曲の著作権は投資対象として価値が高いと見なされ、多くの投資会社が買い取る動きが強まっていました。
これは、曲がストリーミングやテレビ、映画、CMなどで使用されるたびに、著作権を持つ人が収益を得られるからです。
楽曲が投資対象になるというのはファンからするとなんだか意外ですが、、そんな世界もあるんですねぇ……🤔
ビヨンドミュージックは、これまでにも多くの有名曲の著作権を買収しており、その数は1990年代から現在までの名曲を含め3万5,000曲以上にのぼります。
彼らの戦略は、著作権を取得した楽曲をさらに価値のあるものにし、長期的に収益を生み出すことです。
例えば今後、CMや映画の挿入歌として活用されたり、新たなリミックスバージョンが制作されたりすることも考えられますね。
BTSの音楽に影響は…
『Butter』の著作権の一部が売却されたとはいえ、BTSの楽曲が突然使えなくなったり、BTS自身が歌えなくなったりするわけではありません。
ビヨンドミュージックは、曲の価値をさらに高め、より多くの場面で活用することを目的としています。
そのため、『Butter』が今後もさまざまな形で楽しめる可能性が広がると考えてよいでしょう。
ファンとしては『Butter』が投機的な目的で他人の手に渡るのは違和感を持つ人もいると思いますし、「ビジネスのためにBTSの楽曲が売買されるのは抵抗がある」と感じてしまうのも当然かも知れません。
ただし、この取引はHYBEの方針とは無関係で、BTSの音楽活動に直接的な影響を与えるものではありません。
著作権の売買は音楽業界で増えてきており、今後もこうした動きが広がっていくと思われます。