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テテのコラム|THE BIGISSUE KOREA(ビッグイシューコリア)日本語訳

テテのコラム

『THE BIGISSUE KOREA』に掲載されたテテに関するコラムを日本語訳しました。

執筆されたのはK-POPをテーマにコラムを書かれている 최이삭 (Isak Choi)さんです。

『THE BIGISSUE KOREA』の他にも『Rolling Stone Korea』などで執筆されています。

『The Big Issue』は、ホームレスや生活困窮者の自立支援を目的としたイギリス発祥の事業です。基本的に路上販売がメインですが、通販での購入も可能です。

目次

チェ・イサクさんコラム『BTS Vという芸術』

– 顔は名画

Vは仮面が良い。 「いい仮面をする」とは主に俳優を褒める時に使う表現だ。どんな配役でも消化できる「千の顔(천의 얼굴)を持っている」という意味で使う。

Vの顔には田舎の子供のような明るさと、人を緊張させる冷たさが同時に渦巻いている。

大きな瞳には狂気と純粋、好奇心と憂鬱が光る。

ニックネームは「CGのようにハンサム」という意味のCGVだが、大きな目鼻立ちと頑丈なあごが織り成すドラマチックなラインには、クラシックな美しさがある。

世界で一番ハンサムな男性1位、地球で一番ハンサムな男性100人など、顔と関連した国内外のランキングでVは評価されたが、「ハンサム」という表現はVの「仮面」を説明するのに適当ではない。

Vの仮面を最も引き立てる作品として、BTSのアルバム『花様年華』3部作の2番目のタイトル曲「Run」(2015)のミュージックビデオを挙げたい。

青春の彷徨と逸脱を描いたこのミュージックビデオで、Vは深淵のように濁った水の中でもがく演技をする。

BTS RUNミュージックビデオ 水の中でももがくテテ

終始駆け巡っていた映像がクライマックスに達し、Vが水しぶきを上げて静かに正面を見つめる瞬間、『花様年華』は文学として生まれ変わる。

MVのテテ
run テテ

Vの顔には何かが始まる予感がある。 カメラの中で彼は作品であり詩人でもある。

 

Isak Choi’s Column for BTS V

チェ・イサクさんインスタグラム

THE BIGISSUE KOREA 販売サイト

狂気と純粋を併せもつ、テテの魅力

このコラムを日本語訳しようと思ったのは、私自身がテテに対して感じていたことと重なる部分があって、共感できたからです。

テテの中には狂気と純粋が同じ分量で含まれていて、明るい未来を信じてやまない無垢な子供と、すべてに裏切られ何もかもに疲れた老人が、仲良く一緒に暮らしているような気がします。

テテを最初に見た時、ああこの人は全部知っている人なのだな、と感じたのです。

人間の薄汚さや醜さや憎しみや嫌悪をいやと言うほど目にして、これ以上傷つかないようにと、心にしっかり鍵をかけている人だな、と。

この人の目はいつも悲しい。笑っているのに。

BIGISSUE KOREAのコラムを読んで、何年も前にそう感じたことを思い出したのでした。

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