2019年8月10日にサウンドクラウドで公開されたテテ自作曲『Winter Bear』は、2023年8月28日に正式にリリースされました😊
こちらの記事では、2019年にサウンドクラウドと同時公開された『Winter Bear』MVを解説。テテが何を表現しようとしていたのか、考察をしてみました。
テテが自ら制作に携わった自作曲のMVに隠されていることを、映像を解説しながら考えてみたいと思います。
歌詞の考察はこちらの記事にまとめました。
長い記事ですが、、、できれば歌詞とMVどちらも読んでもらえると、より深く『Winter Bear』が理解できるかと思います😊
テテ『Winter Bear』に隠された秘密を考察
『Winter Bear』MVには、苦しかった過去と区切りをつけて、前を向いて歩いて行こうとするテテの決意が込められているようです。
また、痛みを乗り越えるため、大切なものを守るために強くありたいという、そんな願いも感じることができます。
歌詞の考察にも書きましたが、2018年というのがテテにとっては本当に大変な毎日だったのだと思います。
(2018年のことは、こちらの記事も参考にしてください🙂)
画面に入るノイズの意味
3分31秒という短いMVの中で、何度も画面に入ってくるノイズには、、
おもに2018年の、テテにとって苦い、悲しい記憶のフラッシュバックが表現されているのではないかと感じます。
ワールドツアーの合間に撮影されたMV
このMVは、シカゴ、パリ、アムステルダム、ロンドン、韓国など、、ワールドツアーで訪れたさまざまな場所で撮影した映像が使用されています。
MVの流れの中では、2018年に撮影したものと2019年に撮影したものがありますが、2つは明確に区切られています。
MVで描かれるテテの2018年と2019年
2018年のテテから始まる映像は、ロサンゼルス、シカゴ、パリ、アムステルダムと、2018年9月から10月にかけてワールドツアー中に撮影された映像が続きます。
この頃、テテは『風景』の曲作りをしており、ワールドツアーをしながら写真もたくさん撮っていました。Twitterにも数えきれないくらい多くの写真をアップしています。
そんな写真家としてのテテの撮影姿が『Winter Bear』MVの前半には流れます。
アムステルダムから何かが変化する
場面が切り替わるのは「Imagine your face/Say hello to me」の部分です。
アムステルダムの運河を空から撮った映像が流れて、一気に時間が進みます。
アムステルダムの運河を境にして、2019年へと入ります。
映像が切り替わると、車のサンルーフから注ぐ陽の光を見つめるテテが出てきます。
なんだか、長い戦いが終わって安堵しているような、疲れ果てたけれどほっとしているような、そんな表情に見えます。
2018年の映像では1人静かにカメラを構えて淡々とシャッターを切っていたテテですが、
2019年からの映像では、誰かに向かって笑ったり、食事を嬉しそうに頬張る姿を見せるようになります。
2018年と2019年の明確な違いは、
テテが自分以外の存在を意識しているということ。
閉ざしていたテテの心が、時を経て少しずつ開いてきたようにも見えます。
テテは『PROOF インタビュー』の中で、「真っ暗だった自分を救ってくれたのは時間だった」と語っています。「時間が光になった」と。
ただ、コインが裏返るように変わったわけではなく、「だんだん、とてもゆっくりと変わっていった」そうです。
心を引き裂くノイズは続く
テテが語ったように、『Witer Bear』MVでは時間をかけて少しずつ回復していくテテの姿が描かれます。
明るい笑顔のシーンにも何度となく画面にノイズが入ってきます。
辺りが暗くなると、パリの夜道を1人でゆっくり歩くテテの姿。
画面には大きなノイズが入り、テテが過去を思い出すように後ろを振り返った時、韓国へと場所を移します。
韓国からモノクロになる映像。
昔のフィルム映画のように見える、ノスタルジックな加工が施されています。
次に出てくるのは、ロンドンのHyde Parkを後ろ歩きするテテ。
2018年の記憶を辿って
ここからの映像にはシカゴ、ロサンゼルスが、テテの後ろ歩きに合わせて街並みも逆再生されますが、映像の中のテテは2018年ではなく2019年のテテです。
シカゴもロサンゼルスもロンドンもパリも、BTSのワールドツアーで2018年と2019年それぞれの年に公演が行われています。
つまり、2019年のテテがタイムトラベルをして、2018年の記憶を辿っているのです。
テテは2018年10月23日にパリの写真をTwitterに投稿した時、パリの街で時間旅行をする映画『Midnight in Paris』のシーンを真似して「ミッドナイト・イン・パリ 車いつ来ますか‥僕も時間旅行したい。僕も会いたいです‥」と書いていましたが、、
미드나잇인파리 차언제와요 저도 시간여행좀.. 저도 만나고싶어요.. pic.twitter.com/2CVCDs7p0X
— 방탄소년단 (@BTS_twt) October 23, 2018
『Winter Bear』MVでは、本当にパリの街を起点にして、時間旅行をしてみたのかも知れません。
空中に何かを書き込むテテ
Hyde Parkに戻ってきたテテが鳥の羽で空中に何かを書くと、鳥の群れの羽ばたきが逆再生。
場面はまた、パリの夜道で後ろ歩きをするテテに戻り、モノクロになっていた映像もカラーに戻ります。
後ろ歩きを続けるテテは、斜め上を見ながら何か考え事をしているようです。
最後、何か言いたそうにこちらを見つめていて、
意を決したように前を向き、
振り返ることなく前に進んで行くのでした。
テテが前を向こうとした時、悲しい記憶を呼び起こすようなノイズが画面いっぱいに広がります。
しかし、テテが前に歩き出した時、画面は鮮明になりノイズは出てこなくなったのです。
ロンドンで後ろ歩きをしていたテテも、ようやく前を向いてスタスタと歩き去っていきます。
アムステルダムがテテ回復のきっかけに
テテがMVの中で「暗かった2018年」と「回復の2019年」へとつながる境目にしているのが、アムステルダムです。
BTSのアムステルダム公演は2018年10月13日に開催されているので、年と年を繋ぐ地点としては少し不自然にも感じます。
でも、テテにはきっとアムステルダムでなくてはいけなかったのでしょう。
怪我でダンスができなくなったジョングクさん
ジョングクさんは、現地時間の2018年10月9日、ロンドン公演直前に家具に足をぶつけ、かかとを裂傷する怪我をしました。
そのためロンドン公演からはダンスをせず、ステージ上で椅子に座って歌唱。
テテとジョングクさんにとって契機になったのは、この時の『DNA』ではないかと思います。
グクテテが手をつなぎ合った『DNA』
『DNA』と言えば、テテとジョングクさんが向かい合ってダンスをするシーンが見せ場です。
ただ、ジョングクさんが負傷していた10月9日10日のロンドン公演では、椅子に座るグクさんと1人でダンスをするテテに分かれて歌っていたのです。
しかし、10月13日のアムステルダム公演では、
テテがグクさんに近づいて2人で手を繋ぎあってDNAを歌っていました。
この日は他にも久しぶりにグクテテの仲良しシーンが多く見られた日で、最後に手を繋いで挨拶をする時には、テテとグクさんだけ指を絡ませて手繋ぎしていました。
画像出典 : Twitter
その日からなんとなくステージ上でも仲良くしている姿が戻ってきたような気がするので、もしかするとアムステルダムで2人にとって良い方向に変わるきっかけになる出来事があったのかも知れません。
アムステルダムが距離を縮めるきっかけに?
年が明けて、テテが『Winter Bear』の曲作りを始めた2月になると、DNAでの2人のパフォーマンスはもっと密着したものになります。。。
テテの吹っ切れたような楽しそうな笑顔を見ると、こちらまで嬉しくなりますね☺️
心の道標に従って…
テテは『PROOF インタビュー』の中で、
「選択しなければならなかった瞬間、自分自身に確信がなくて混乱した時はずっとそのことばかり考えて悩みました。でも考えてみると、僕の選択する道や正解はすでに心の中にありました。こんがらかる必要なんてなかったのですが、あまりにも混乱してしまったのが過去の自分にとって一番残念な部分です」
と、語っています。
さまざまな悩みの中で重要な選択に迫られることの多かった2018年。
周囲の状況に飲み込まれて混乱してしまったテテでしたが、選ぶべき道や正解はすでに心の中にあったのです。
それに気づいた時、テテの心の中の黒い雲は晴れて、
『Winter Bear』の歌詞のような、何気ない幸せや日常の中にある希望に気付くことができたのだと思いました🙂